イトウ あ つもり。 北海道のいと…②幻の天然「イトウ」を食べた

フィッシングガイド 杉坂 隆久 60歳|カイ×アルキタ まちぶらNAVI|北海道マガジン「カイ」

イトウ あ つもり

幻の魚 イトウは鱒と岩魚を足して割ったような洗練された味 鬼も食ったら実はうまい!と唸る美味である 北の大地の淡水域では無敵のイトウも 人には勝てない サケ目サケ科イトウ属に属するイトウは、他のサケ科の魚種と違い、海で育つ事はない。 下流の湿地帯や湖沼が住処で、産卵場所が上流域の故、川の上流から下流までが生育場所として必要なイトウ。 河川改修で住処やえさ場が減り、ダムや農業用の堰などがイトウの産卵場所への道を閉ざしたことで、その個体数は大きく減少し、今では『幻の大魚』と呼ばれている。 巨大魚を追い求める釣り人たちもイトウにとっては脅威となる。 最近は熱心な保護活動が実り、その数を徐々に増やしているとはいえ、まだまだ、自然界では幻の魚である。 左からイトウを育てる鯵ヶ沢町役場の加藤さん、 工藤さん、佐藤さんと私 食文化 萩原 イトウの道を切り開いた、 鰺ヶ沢町農林水産課の加藤隆之 東海大学海洋学部水産学科卒業後、鯵ヶ沢役場に入った加藤隆之は、その年(1985年)の秋からイトウの試験飼育に取組み、鯵ヶ沢のイトウプロジェクトにその後の人生を賭けたと言っても過言ではない。 87年、人工授精でイトウの孵化に成功したものの、稚魚と親魚の殆どを病気で斃死する危機に見舞われる。 その後はイトウ専門の養殖場の建設に尽力し、岩崎村(現在の深浦町)から7年魚を40尾譲り受け、新養殖場でのイトウ養殖を再開する。 89年末、試行錯誤の末にイトウの初出荷にこぎ着けるなど、まさに、鯵ヶ沢イトウ養殖をゼロから作ったのが加藤である。 考えてみれば、時はまさにバブル全盛期。 全国各地の自治体が夢に巨費をつぎ込み、その多くは頓挫した。 鯵ヶ沢のイトウプロジェクトが30年経っても健在なのは、まさに希有な例と言っても過言ではない。 加藤他、鯵ヶ沢町農林水産課のイトウ担当者たちがいなければ、単なるバブルの夢で終わったかもしれない。 水産庁通達に反して、サハリンから イトウ受精卵を持ち帰った勇気 加藤は95年と96年、エリツィン政権混乱期にサハリンを訪れ、現地で野性のイトウを捕獲し、人工授精を施し、受精卵を持ち帰った。 持ち帰らなければ、今どうなっているかは検証できないが、イトウに新しいDNAが加わり、鯵ヶ沢のイトウ養殖を盤石にしたのは間違いない。 鯵ヶ沢にイトウという水産資源を確立したい!という、加藤の強い思いが成せたこと。 その2年後には法制化されたことから、鯵ヶ沢町のイトウは一歩間違えれば、今は無かったかもしれない。 イトウに限らず、養殖技術を確立するには、必ず人生を掛ける人がいると言っても過言ではない。 イトウは鯵ヶ沢役場の水産担当の加藤隆之がまさにその人である。 白神山地の沢水が イトウを育む 白神山地を源流とする 赤石川支流の沢から取水 この水がイトウには 良かった! 白神山地のブナ原生林を水源とする、赤石川の支流の佐内沢の水はイトウとの相性が良かった。 山間の沢に堰を作り、そこから導水管で養殖場に水を引き込むことで、夏でも15度以下、冬でも凍らない清らかな水を安定的に取り込めることになった。 87年にイトウをほぼ全滅させた水質問題の解決の為には、この水の確保は最重要事項だった。 イトウは用心深く、神経質な為、養殖のちょっとした工夫の違いがイトウに大きなストレスを与え、養殖を失敗させかねない。 自然に近い環境で、イトウに合わせた飼育方法を確立する為の試行錯誤が、30年間の歳月ということだ。 締めたては、若干淡白でコリコリした食感が印象のイトウだが、氷温で数日間熟成すれば、驚くほど味わいが深くなる。 イトウはサケ目サケ科イトウ属に属するが、属は世界で4種しかいない。 味はビワマスとサクラマスとイワナを足して3で割ったような印象でもあり、しっかりした身質は泳力が強い白身の魚に似ているとも言える。 まさに、イトウはイトウ味なのである。 寄生虫がいないので、そのまま刺身で楽しみ、焼いて楽しみ、骨や皮も余す事なく堪能できる。 上質な脂があるので頭や中骨を使って鍋にしてもうまい。 サクにして氷温で4〜5日熟成させ、山葵醤油は絶品!煮きり酒と醤油で30分ほど漬けにして寿司や丼もうまい! 鬼退治の鬼供養は、余す事無く鬼を食べる!それに尽きる。 商品カテゴリー• 萩原章史セレクション• 価格帯で選ぶ•

次の

なぜイトウは「幻の魚」と呼ばれるようになったか

イトウ あ つもり

その著書「私の釣魚大全」には、「釧根原野で《 幻の魚》を二匹釣ること」という章が収められているが、この話がかかれたのが1968年であるから、当時から既に幻であったのだろう。 イトウは、今まさに「幻」となろうとしているのかもしれない。 ではなぜにイトウは、絶滅の危機に瀕するまでに激減し、幻とまで呼ばれるようになってしまったのだろうか。 イトウの減少の原因としてその最たるものは、やはり 生息環境の悪化だろう。 河川改修による 流路の直線化、単純化などがこれにあたる。 これらはイトウの付き場を破壊し、餌となる小魚の隠れ場を奪うばかりか、同時に河畔林を喪失することとなり、イトウのみならず、河川生態系そのものの多様性などにも大きく影響するだろう。 また釣り師としてもそのような川では、釣りをする悦びも感じられまい。 中でも最も憂慮されるべき問題は、 ダム等の河川構造物の建設による 生息域の分断化である。 イトウはその長い一生にわたって、大きな川の上流から下流までそのほとんど全てを必要としている。 産卵はイワナやヤマメが棲むような、上流の小規模な河川(支流域上流部)で行われ、成長と共に生息場所を下流に移し、中には降海する個体もある。 産卵のため上流域に溯上する親魚が、 産卵場所に到達できず正常な産卵が行われないのならば、イトウが 減少するという事はあまりにも当然の事である。 砂防ダム等には 魚道の設置されているものを度々見かけるが、多くの場合は溯上効果が低いか、 まったく機能していない。 また、構造的にイトウのような大きな魚体を持つ魚が利用出来うるものであるのかにも大きな疑問が残る。 このほか 森林伐採や道路工事等による 土砂の流出は、イトウに限らずサケ科魚類の卵の正常な発育・孵化を妨げる。 このような自然環境の荒廃は、何もイトウの生息地に限った話ではなく、こうしている今も 全国で自然環境が破壊されつつある。 が、近年のごく一部の幸福な例をみると、これらの問題を憂慮する 市民団体等の働きかけによって、こうした自然破壊をともなう環境開発が 中止された例もある。 例えばイトウの生息域である道東・別寒辺牛川の砂防ダム計画・建設の凍結などは記憶に新しいところだろう。 イトウ減少の主たる原因として、生息環境の破壊があることは既に述べたとおりだが、ではその生息環境の保全・復元を図ればイトウは護られるのだろうか。 我が国では長いこと「 サケ・マス増殖事業」を行い、その努力の甲斐あってシロザケなどは驚異的な回帰率を得るまでになったが、その背景にあるのは 徹底されたサケ至上主義であり、そこでの イトウやアメマスは害魚として扱われ、かつては積極的な 駆除を実施してきた地域もあるという。 またイトウはその希少性や大型になることなどの貴重さゆえ、 剥製が高額で取引されているという話もある。 そのためこれらを目的に釣ったイトウをキープしたり、中には産卵のため溯上した個体を網で掬ったり、銛でつく者までいるという。 このような 乱獲と言える行為が、イトウの 個体数減少に関わってきたことも、ほぼ間違いないだろう。 イトウといえば 1メートル以上の大型に成長することや「幻」と称されるような神秘性もあり、 釣りの対象魚として非常に人気が高く、そうした大型の個体はルアー、フライを中心とした 釣り師らの垂涎の的ともなっている。 この魚の釣りシーズンともなれば、 有名ポイントに多くの釣り師が押し寄せ、或る者は巨大な獲物に歓喜の凱歌をあげ、また或る者は悔し涙で再びあいまみえんことを誓い釣り場を後にする。 雑誌やインターネットなどのあらゆるメディアでも、しばしばこの魚の釣りが取り上げられ、釣り師に抱えられた大物の写真に誰もが溜め息を漏らす。 が、果たしてどうなのであろうか。 さて釣りに関して最も憂慮すべきは、 産卵期の釣りだろう。 一般にイトウ釣りのベストシーズンとされる 4〜5月は産卵期直後で著しく体力を消失している。 そうした時期に釣られたイトウは、たとえ正しくリリースされたとしても、その 生残率は著しく低下するのではないだろうか。 また産卵期前であれば、イトウは 非常に神経質な魚であるため、 リリース後に正常な繁殖行動をとらない可能性がきわめて高いという。 人間でも臨月の妊婦や産後間もない女性に縄を括り付け、引きずり回せば、どのような結果になるかを考えればよくわかることだろう。 また調査によると、繁殖行動に参加できるイトウの 親魚の個体数は推定1000個体に満たないとの報告もある。 そのうちから更に正常な産卵を阻害される場合があっては、イトウの増殖は望めるものではない。 さてここまでご覧いただいて、イトウが如何に危機的な状況にあるかがお解りいただけただろうか。 この他にもまだ憂慮すべき問題はあるが、概ねこうしたところからイトウは、「幻」と呼ばれるほどの状況に陥ってしまったのだろう。 今後、イトウを取り巻く状況がこれ以上悪化しないよう努めることも重要だが、 現状維持ではイトウの個体数の減少は避けられまい。 近年、 イトウの減少、絶滅を憂慮する市民団体等が設立され、様々な活動が見られる。 これは 非常に歓迎すべき事だろう。 だがそれを横目で見ているだけでなく、その傍らで 私たち一人一人に何が出来るのかを模索し、行動することこそが、今、多少の違いこそあれ イトウに関わる全ての者に求められるべきだと思う。 そうでなければイトウは本当の意味で 「幻」となり、私たちはみすみすイトウを絶滅させた世代として、歴史に汚名を刻む事になりかねない。 イトウの深刻な状況をよりリアルに感じていただけるだろう。

次の

スタッフ紹介

イトウ あ つもり

トピックス 2019年7月6日 休診のお知らせ:令和1年8月10日から 8月16日まで 休診となります。 ご迷惑をおかけします。 2019年7月6日 休診のお知らせ:令和1年8月10日から 8月16日まで 休診となります。 ご迷惑をおかけします。 2019年3月8日 アレルギー舌下療法(新薬:シダキュア)の治療開始について:スギ花粉症の根本的治療(アレルギー舌下療法)であるシダキュア治療開始は 平成31年5月より開始予定です。 予約は 電話あるいは来院にて行っています。 (ただし、当院にて 診察されていない方は一度診察が必要です) 2019年2月6日 瀬戸市の風邪の流行について:現在 インフルエンザ A型 流行~ようやく収まってきました。 インフルエンザ治療薬:ゾフルーザによる耐性ウィルスの出現が報道されていますが、ゾフルーザ処方禁忌というわけではないので、ご注意ください。 2018年10月12日 年末年始のお休み:当院は 平成30年12月29日 午前まで 診療しております。 平成30年30日 から 平成31年1月6日まで休診です。 診療再開は 1月7日からです。 ご迷惑をおかけします。

次の